#PLANT 01天然ガス液化プラント
天然ガスを液化する目的は、パイプラインのない地域への天然ガスの大量で安価な供給です。天然ガスは主成分がメタン(CH4)ですが、極低温の-160℃程度に冷却することで液化天然ガス(LNG)となり、体積はガスの状態と比較して概ね1/600程度になります。
ガス田から採取される天然ガスには不純物(水、二酸化炭素、硫黄、重質炭化水素など)が含まれており、LNGの要求性状を満足しつつ、液化プロセス中で不純物が凍結・析出しないようにする必要があります。そのために、複数の不純物除去設備を前処理設備として設け、段階的に温度を下げるなどして不純物を抽出し、LNGの純度を高めます。不純物の除去には実績に基づくエンジニアリングが重要ですが、当社には豊富な運転実績がありますのでご安心ください。また、不純物を最大限に有効利用することで、天然ガス液化設備のランニングコスト低減と環境負荷の低減を図っています。
液化に必要な冷熱は、冷媒ガスを圧縮、冷却、膨張することによって得ます。ガス圧縮機は大型になり、高価でエネルギーを多く使います。液化設備のイニシャルコストとランニングコストへの影響が大きいことから、冷媒ガス圧縮設備のエンジニアリングは極めて重要です。
日鉄P&Eの天然ガス液化設備は、旧新日本製鐵(株)製鉄プロセス用液化酸素製造設備の建設・操業に由来し、ガスを極低温で液化することに精通しています。また、製鉄ビジネスの収益向上と安定操業のために、省エネルギーと低い故障発生率、故障に備えた設備の冗長化、オペレータの作業量の軽減等を念頭にエンジニアリングを行ってきました。
天然ガス液化設備においても同様の思想で取り組み、高い信頼性と省エネルギー性を確保しています。
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LNG、LPG受入・出荷基地
LNG、LPG受入・出荷基地
日鉄P&Eは、中規模のLNG消費地に対する輸送量の最適化および、安価なLNGの提供をコンセプトとした「内航LNG船輸送システム」を提案し、2003年瀬戸内海で具現化しました。
たとえば、①内航船受入設備グレードと内航船LNG取扱量のマッチング、②国内に例のないLNG内航輸送の荷役時安全性の評価等——などを採り入れました。その後も様々な工夫を凝らし、提案力の向上を図っています。 -
LNG受入設備
発電燃料や各種産業用に使用される液化天然ガスを大型LNGタンカーより、受入れ〜貯蔵〜払い出しするための設備です。
海上のバースや桟橋上の配管・架構設備は工場内でいくつかのユニットとしてプレファブし、必要な機器、計装設備も組み込み所定の検査や配管の断熱作業を実施したうえで、海上輸送し大型海上作業船で据付します。
大きなユニットの場合は数百トンもの設備単位となるため、工場ユニット製作により、現地工程のミニマム化、設備品質の向上、工事コストの削減に寄与します。 -
LNGサテライト基地
LNG受入基地から遠距離に位置するなど、パイプラインによるガス供給では経済性に問題がある需要地には、ガスではなくLNGの状態でLNGローリーを利用して陸上輸送し、需要地にてガスを製造・供給します。この需要地でLNGを受け入れて貯蔵し、気化してガスを送出する設備です。主にLNGをLNGローリーから受け入れるためのローディングアームやホース、LNGを貯蔵するためのLNG貯槽、LNGを加熱、気化してガスにする気化器から構成されています。
また、ガスの発熱量を調整するための熱調設備や、ガスに臭いをつける付臭設備、高圧のガスを供給するためのLNGポンプなど、供給するガスの仕様に合わせた様々な機器類を設置できます。
その他、お客様のニーズにあわせた経済性、運用性にも優れた最適な提案、設計、建設を、豊富な建設実績に基づき実現します。 -
各種タンク
各種タンク
エネルギーの貯蔵に関する事業は、1964年に新日本製鐵(株)の製鉄所向けに建設した重油タンクが始まりです。日鉄P&Eでは、製鉄所でのタンク建設で培った技術をベースとして、ユーザーでもありファブリケーターでもある立場から、設備技術・操業技術・鋼材利用技術などをブラッシュアップさせ、社内外のニーズに対応した技術開発、新商品開発に全力を注ぎながらプロジェクトを実行します。
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最適なタンク鋼材の選定
業界第1位の鋼材メーカーとして製造してきたタンクやその他の鋼構造物の実績から、使用環境や加工・溶接方法に応じた最適な鋼材を選定することができます。
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安全で高品質・高精度なタンク
実験・研究および実績に基づいた解析、設計、製作、施工、検査にいたる幅広い技術力により、安全なタンクを建設することができます。また、鋼板の製造から、加工、溶接、塗装まで一貫した検査体制を整えているため、高品質・高精度のタンクを納入できます。
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数々の実績から培ったメンテナンス力
多数の施工実績から、メンテナンス力も培ってきました。浮屋根や底板等の検査・更新も数多く手がけ、豊富なノウハウを有しています。
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グローバルな展開
中国を中心とする海外においては、施工の実績はもちろんのこと、鉄鋼メーカーとして培った鋼材選定や溶接などの技術協力も行っています。
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減圧設備
発電所にて受け入れたLNGから気化された天然ガスや、ガス導管から圧送された天然ガスを所定圧力に減圧し、ボイラユニットに燃焼用燃料として供給する設備です。減圧弁、加温設備、放散設備や保安設備等から構成されています。
DSS(Daily Start and Stop)に対応した起動から停止まで、低流量から大流量までの広範囲を速やかにカバーでき、天然ガス流量と減圧弁出口圧力に応じたFF(フィードフォワード)制御+PID(比例・積分・微分)制御による減津弁での圧力制御が可能です。
日鉄P&Eは、お客様のご要望に応じた、多くの発電所内の減圧設備建設に携わっています。 -
工場内ガス配管及び架構建設
工場内の機器や塔槽類をつなぐ天然ガスなどのプラント配管、およびその支持構造物(架構)について、配管の特性(流体、圧力・温度など)や重要度に応じ、熱応力・耐震解析など必要な設計を行います。
設計のみならず、パイプ・鉄骨・断熱材などの材料調達、ならびに据付工事まで一貫して実施しています。また、工場内の通行・メンテナンス性や、周辺環境に応じた美観にも配慮しています。 -
工場内大口径ガス配管
当社は、工場内で発生するガスを有効利用するための配管工事を、設計~製作~工事まで一貫して実施しています。配管の材質や形状、強度検討等に基づいた設計図を作成し、現地の状況に応じた安全かつ効率的な施工計画を基にした施工を行います。ガス以外にも様々な流体に対応し、工場の安定操業に貢献しています。
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