日鉄P&Eが手掛けたプロジェクトをご紹介します
Project06
自然と未来に向き合う 山葵沢地熱発電所 配管工事
30年ぶりのプロジェクト!
新入社員がフレッシュな目線で現場を取材
湯沢地熱(株)が施主となり、出力42000kW、一般家庭8万世帯分の電力をつくる地熱発電所のスタートとゴールを結ぶ還元パイプライン工事(全長約3000m)を当社が担当しています。工期は2015年6月から2018年11月の3年間。ただし、冬は県道が雪により通行止めのため、工事ができるのは4月から11月までと限定されます。当社としては30年ぶりの工事であり、山間の傾斜地での工事のためたくさんの苦労があります。
30年ぶりのプロジェクトで今後発展していく再生可能エネルギーの工事として、記録を次世代に残すことの重要性、また、埋設、地上配管、急斜面での工事と多岐に渡るため、若い世代の監督が成長する現場としても次に繋がります。
About 工事概要
工事名 | 山葵沢地熱発電所 生産・還元設備(還元パイプライン)工事 |
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工 期 | 2015年6月1日〜2018年11月30日 |
工事場所 | 秋田県湯沢市高松字高松沢国有林内及び 秋田県湯沢市秋ノ宮字役内山国有林内 |
標高1300mの現場
山葵沢地熱発電所生産還元設備工事は、標高1300mを超える山伏岳及び高松岳をその現場としています。この現場にかかる特徴は大きく3つに分類されます。
1つ目は工事地が山、さらにかなり急斜面であるということです。我々を案内してくださった副所長や作業員の方々も「こんなところにパイプを通すのか」と驚いていました。また、冬は雪が深く積もるため閉山してしまいます。
2つ目はこの山が国有林であり希少生物の生息地であるという点です。希少生物が住む沢を避ける必要があります。また、立ち入り禁止場所が作業現場のすぐ隣にあります。
3つ目は山中での連携の難しさです。平地の乏しい山中ではパイプの置き場と作業場の距離が離れています。携帯電話が通じない山中では、連絡は40分かかる山道を登るか、無線で連絡を取る必要があります。しかも限られた連絡手段である無線も通じない場合が多いです。
スケジュール
7:45 朝礼
8:00 現場
12:00 休憩
12:45 NSPE協力業者打ち合わせ
13:00 NSENGI協力業者打ち合わせ
16:45 作業終了・片付け
17:15 夕礼
社会貢献活動
近隣のゴミ拾い
交通量の多い時間帯にガードマンの配置
ファインダー越しの現場
目に入るのは雄大な鳥海山をはじめとする山々、夏のきざしを感じる鮮やかな緑、広い空。その中を縫うようにはしるパイプライン。一見相容れないように見えるこれらが1枚におさまることに、パイプラインの新たな可能性を感じました。
Interview 工事状況
PERSON
01
作業員とのコミュニケーションで
効率良く作業できるように心がける
効率良く作業できるように心がける
傾斜面での作業は、パイプの運搬から設置をするまで綿密な工事計画を立てることが必要であり、また、いざ現場を確認したら重機を入れることが難しいという状況に直面することも少なくないです。
さらにこの現場では、基礎工事を他会社が行っているためそれに左右されることや、関係会社との調整で作業の進捗度合が大きく変わり、搬入車の管理一つとっても全協力会社で擦り合わせを行い、入念な計画を立てなければなりません。
監督として、作業員の方々とのコミュニケーションは特に大切です。何が必要か、どうしたら作業がしやすいのかを、現場から拾いあげることを意識的に行なっています。
また、全体の作業の効率を上げる工夫の一つとして、書類での共有ではなくホワイトボードを使って連絡を行っており、作業員の負担を減らすためにもそのような取り組みや、細かな気配りも大切にしています。
他の作業員とのコミュニケーション
ホワイトボードを使用した情報連携
\現場探検メンバーをご紹介/ Member
資源・エネルギー事業部
鹿島支店 設計室
J.I
現場を見ると、皆さん≪何かの為≫に業務にあたっていました。お客さんだけではなく、それぞれの元請さん・協力業者さん・地域の皆さん、そして自分の為です。全体が目的を持っていられるのは、コミュニケーションが濃いからです。ミーティングや休憩時間の会話も、目的の維持に重要なことなのだと深く実感しました。
都市ガス事業部
都市ガス工事部 西事業所
K.S
今回の現場取材を通して感じたことは現場の基本は人とのつながりということです。この現場も数多くの協力会社のおかげで成り立っています。それらの仕事を理解し支えあうことで皆気持ちよく効率的に仕事を進めていくことができると思いました。私もそのような監督を目指していきたいです。
水道部 水道設計・技術室 T.M
現場は「すごい!」の連続でした。座学や写真で知った中ではわからない現場の迫力、職人さんの技術の高さ、監督のタフさ。すべて驚きの連続でした。また、現場のどこを見ても「人」がつくっていると感じました。「人が財産」の言葉の重さを実感できる2日間でした。
プロジェクト当時のものとなります。